
呼吸器系の主要臓器である肺くん。
胸部に位置しており、心臓くんを挟むようなつくりとなっています。
そんな肺くんですが心臓くんととても密な関係です。
漿膜という薄い膜で包まれている作りも同じ。
かなり細かくエリア分けされていますね…
まずは概要として全体像をおさえていきます。
呼吸器系ってどういう構成と位置関係でできているのでしょうか?

胸腔とは”胸郭の内側”のことです。
胸郭というのは、前は胸骨、後ろは脊椎、周りを肋骨で囲まれた空間のことです。

横隔膜は”膜”という名称だけど、実はしっかりとした骨格筋なので見た目も筋肉っぽいです。焼き鳥でいうサガリになります。
そうなのですね!名称だけだと想像しにくいですね…(先生、焼き鳥に詳しいな…)
また、頸椎とよばれる首の骨の隙間から出てくる頸神経叢の枝である”横隔神経”によって運動を調節しています。
〜ちょこっと病理〜
上記の通り、横隔膜は頸椎と頸椎の間から出てくる神経(=横隔神経)によって運動をコントロールされています。
そのため、頸椎損傷などで首の骨が折れて神経を圧迫してしまうと、横隔膜が動かせなくなって自分で呼吸ができなくなるんですね。

縦隔(じゅうかく)は臓器ではなく空間。
肺くんに挟まれた隙間です…肺くん自身は含まれないのがポイント!
〜ちょこっと病理
〜
正常な人間のからだにも胸水が少し入っています(約10~20mL)
しかし、何らかの異常でこの胸水が増えてしまう(=胸水貯留)と呼吸しづらくなるといった障害をきたします。胸水が溜まる要因として、肺炎や左心不全、胸膜炎などがあります。
引用・参考文献
川村 雅文(2019):「成人看護学[2]呼吸器 第15版 (系統看護学講座専門分野)」,第15版,医学書院
坂井 建雄(2018):「プロメテウス解剖学 コアアトラス」,第3版,医学書院
坂井 建雄(2018):「人体の構造と機能[1]解剖生理学」,第10版,医学書院
坂井 建雄ら(2010):「ぜんぶわかる人体解剖図-系統別・部位別にわかりやすくビジュアル解説」,第10版,医学書院