循環ってそもそもどういうこと?
ひとめぐりするという意味を持ちますが、人体のからだにおける循環とは
『からだに必要な酸素や栄養素を運び巡らせる』
という流れを意味します。
働き者の心臓くん。まずは全体像をおさえていきます。
心臓くん、いつもありがとうね…!
心臓くんはからだのエンジンを担う臓器でもあり、左右の肺くんに挟まるように位置しています。
だいたい握りこぶし1個分の大きさです。
重さは200g〜300g程度。リンゴ1個がおおよそ300gくらいですね。
からだに血液を送り出す心臓くんは、私たちにとって重要であり中枢臓器といえます。
そんな心臓くんですが、からだの頭てっぺんである頭頂部より縦にまっすぐ引いた線(=正中線)
この線から左に心臓くんの2/3が位置しています。
心臓くんの形のイメージは円錐です。
底面は心底部、先っぽの部分は心尖部といい、心尖部は左前下方を向いているのが特徴です。
心臓は中心にあるのに、左胸に手を当てると「ドキドキ」と心臓の動きを感じますね…
それは、心尖部がおおよそ左胸の第5肋間(第5肋骨と第6肋骨の隙間)に存在しているからですね。
この左胸に感じることができる心臓の動きを”心尖拍動”とよびます。
ふむふむ。めぐり、めぐっていると…循環器って神秘的ですね。
心臓から出る血液を運ぶ血管=動脈
心臓に戻る血液を運ぶ血管=静脈
心臓から全身へ出ていく血液は、酸素が沢山含まれていて真っ赤な血液が流れています。
一方で、心臓の右心房に戻る血液は、全身の細胞に酸素を渡した後の血液です。
そのため、酸素があまり含まれていない赤黒い色の血液が流れています。
動脈が”赤”で描かれる理由は
動脈血が赤いためです。
静脈が”青”で描かれる理由は
腕などの皮膚の下で赤黒い血液が青っぽく透けてみえるため
わかりやすく”青”で描かれます。
肺動脈は心臓から出て肺に血液を送る血管=動脈
ですが、中を流れている血液は酸素があまり含まれていないため”静脈血”です。
肺静脈は肺から心臓に血液を戻す血管=静脈
ですが、中を流れている血液は酸素が沢山含まれている”動脈血”です。
肺動脈、肺静脈に流れる血液…
ここは間違いやすいポイントなので要注意です!
ちなみにお絵描きするとき
肺静脈と肺動脈って何色にしようか迷います…
流れてる血液の色に合わせるか…
この絵は紫色で着色していますが、作者は肺と心臓の血管で区別をつけたいそう。
参考文献
医療情報科学研究所(2021):「病気がみえる vol.2 循環器」,第5版,メディックメディア
吉田 俊子ら(2019):「成人看護学[3]循環器 第15版 (系統看護学講座専門分野)」,第15版,医学書院
坂井 建雄(2018):「プロメテウス解剖学 コアアトラス」,第3版,医学書院
坂井 建雄(2018):「人体の構造と機能[1]解剖生理学」,第10版,医学書院
坂井 建雄ら(2010):「ぜんぶわかる人体解剖図-系統別・部位別にわかりやすくビジュアル解説」,第10版,医学書院