吸って…吐いて…この肺くんの換気の機能がわかる検査をまとめていきます!

口から肺へ出入りする空気の量、これを換気量といいます。

この換気量を測定できるのが、スパイロメータという測定器です。

吸気、呼気での換気量…その関係性もみることができます。
呼吸機能検査の中でも、とても大切な生理機能検査といえますね。



呼吸数は急変時など状態が悪化した際に、前兆として出現する重要なバイタルサインの一つとされています。






大きく吸って〜〜〜吐いて〜〜〜〜〜・・・フゥゥゥ。




いっぱいに息を吸った状態から息を全て吐き切るまでの間、出すことができる空気の量を”肺活量”(単位はL)といいます。

肺活量は Vital Capacity=VCと略されます。

年齢や性別、身長などの各データで計算された標準の値(予測値)との比を”%肺活量”(%VC)といいます。



%肺活量が80%未満の場合、拘束性換気障害があると考えられます(%VC<80%)



拘束性障害は、肺くんを動かす神経や筋肉の障害や、胸郭や肺くんの動きやすさ(コンプライアンス)の低下によって換気運動が障害されることにより生じます。



肺くん自身に異常がなくても拘束性障害が起こるかもしれない…ということですね。






スゥゥゥゥゥゥ!!!!・・・ハァァァァァ!!!!
はあ…結構出せた気がします。





肺活量に対して、思いっきり吸って、思いっきり吐く方法で計測する肺活量を”努力性肺活量”といいます。



努力性肺活量は Forced Vital Capacity = FVC と略されます。



また、思いっきり吸ったあとにできるだけ勢いよく吐いてもらい、そのうち最初の1秒間で吐くことができる空気の量を”1秒量”(単位はL/秒)といいます。



1秒量は Forced Expiratory Volume in 1 second =FEV1 と略されます。





1秒量の計測は肺活量と異なる計測方法ですね。
そしてこの努力性肺活量のうち、1秒間で吐き出せる空気の量(1秒量)で求められる値を1秒率といいます。
FEV1/FVC)×100 (単位は%)

1秒率が70%未満の場合を閉塞性換気障害といいます。
(FEV1/FVC<70%)
この1秒率が低下する原因として、吐く流れを妨げられてしまうような気道の異常(気流制限)が挙げられます。



1秒率と肺活量との関係は上記のような関係で表され、換気障害の分類として示されます。

拘束性と閉塞性の換気障害、どちらも生じている場合は”混合性換気障害”といいます。



息をいっぱい吐いたときに、気道の中に残っている空気の量。
これを”残気量”といいます。Residual volume = RV と略されます。

肺くんの中にはあるけど、呼吸には関係ない無駄な空気の量といえますね。勿体無い。
そんな残気量は、スパイロメータでは計測ができない項目です。

引用・参考文献

川村 雅文(2019):「成人看護学[2]呼吸器 第15版 (系統看護学講座専門分野)」,第15版,医学書院
坂井 建雄(2018):「プロメテウス解剖学 コアアトラス」,第3版,医学書院
坂井 建雄(2018):「人体の構造と機能[1]解剖生理学」,第10版,医学書院
坂井 建雄ら(2010):「ぜんぶわかる人体解剖図-系統別・部位別にわかりやすくビジュアル解説」,第10版,医学書院