腸くんの生理学をまとめていきましょう!
小腸に大腸・・・その機能の違いに注目です。

腸くんはなんだかモコモコした犬っぽいイメージです。わん。





冒頭で述べたように、小腸と大腸では機能が異なることが特徴です。

小腸では全ての栄養素の消化と吸収に関わっています。


胃くんからバトンタッチされてきた食物のほとんどがここで消化・吸収されるんですね。

よく動くのは小腸で、3つの運動パターンを使い分けて消化・吸収しながらゆっくりと大腸へ送られます。



①蠕動運動:腸管の近位(口側)の方から収縮、遠位(肛門側)で弛緩を繰り返すことで内容物を移動させる。

②分節運動:腸管の一定の場所で収縮、弛緩を繰り返して内容物を混ぜる。

③振子運動:腸管の一部分が蛇腹のように短くなったり、長くなったりとすることで内容物を揺らし混ぜる。



蠕動運動が内容物を”運ぶ”に対して、分節運動と振子運動は内容物を”混ぜる”という役割をもちます。これらが使い分けられることで、腸管を通る内容物は移動をしながらまとまっていきます。

効率がイイッ!
ちなみに、ミミズの運動はこの”蠕動運動”の仕組みと同じです。うにょにょ〜ってね。

この”蠕動運動”は消化管のどの部分でも行われます。
腸くんは他の運動も使い分けていますが、逆に食道ではこの”蠕動運動”しかできません。


また、腸における蠕動運動は”腸蠕動”とよばれます。



お腹が「ぐるぐるぐる・・・」と鳴るのもこの腸蠕動の音であり、腸くんが活発に動いている証拠です。




聴診器で腹壁に当てるとよく聞こえます。
これを腸蠕動音とよびます。正常、消失、微弱、亢進・・・などと各評価します。
”亢進”は元気っぽく聞こえますが、動きすぎているというサインです。





大腸では、主に”糞便”がつくられる場所であり、その内容物を直腸〜肛門へと運ぶ働きを担います。



ここまで消化・吸収され運ばれてきた内容物(食物残渣)は、ここで水分や電解質の吸収が行われます。


運動パターンでは、主に”分節運動”が行われていますが、食事後に大腸での”蠕動運動”が活発になります。


そのため、食後に便意って生まれやすいのです…
我慢は良くないからそんな時はきちんと排泄してね。約束です。





引用・参考文献

南川 雅子(2019):「成人看護学[5] 消化器 (系統看護学講座 専門分野)」,第15版,医学書院
坂井 建雄(2018):「プロメテウス解剖学 コアアトラス」,第3版,医学書院
坂井 建雄(2018):「人体の構造と機能[1]解剖生理学」,第10版,医学書院
坂井 建雄ら(2010):「ぜんぶわかる人体解剖図-系統別・部位別にわかりやすくビジュアル解説」,第10版,医学書院