消化酵素・・・ホルモン・・・わかりにくく混ざりやすいところですね。
胃くんや腸くんなど、消化管では食物を効率よく消化するために消化酵素を分泌しています。併せてホルモンも分泌されていますが、この違いをおさえていきましょう。
消化酵素は食物を分解する”ハサミ”のようなイメージです。一方で、ホルモンは酵素や消化管などに伝達してコントロールを担う”監督”のようです。
ここで、胃の働きをおさらいしましょう。
あわせて「胃のはたらき 生理学」もご覧ください。
胃には大きく3種類の分泌細胞があり、以下の消化酵素を分泌します。
主細胞:塩酸・内因子
壁細胞:ペプシノゲン
副細胞:ムチン
塩酸とペプシノゲンが混ざり合うことで、ペプシンに変化してタンパク質の分解酵素として働きます。
食物は胃の中にしばらく留まり食物と胃酸が混ぜられます(液体で約10分、固形物で約3〜6時間)。
その後、酸性になった食塊が十二指腸に流れ込むことで、胃酸の分泌を止めようとする働きが生じます。
その役割を担うのがセクレチンとコレシストキンと呼ばれるホルモンです。
セクレチン、コレシストキニンは膵臓にも働きかけ、膵臓からの消化酵素分泌も促します。また、十二指腸以下の消化管の中を胃酸のように強い酸が流れてしまうと、炎症を起こしてしまいます。
そのため、膵臓から重炭酸イオンを分泌して中和する働きも持っています。
お互いに助け合いですね!消化器系のチームワークが発揮されてます…!
引用・参考文献
南川 雅子(2019):「成人看護学[5] 消化器 (系統看護学講座 専門分野)」,第15版,医学書院
坂井 建雄(2018):「プロメテウス解剖学 コアアトラス」,第3版,医学書院
坂井 建雄(2018):「人体の構造と機能[1]解剖生理学」,第10版,医学書院
坂井 建雄ら(2010):「ぜんぶわかる人体解剖図-系統別・部位別にわかりやすくビジュアル解説」,第10版,医学書院