今回主役の臓器は胃くん!
胃液で消化を助けるのが大きな特徴ですが…それだけではありません。
チーム消化器における、強くも優しい?臓器といえる、胃の機能についてまとめていきます。
頑張り屋さんです。けどちょっぴり傷つきやすいという可愛らしい一面がある、胃くん。
そんな胃の働きについて…6つに分けて整理してみます。
そんな働き者の胃くんですが、生きていく上では必要不可欠ではありません。
がーーーーーん!そんなバッサリいわなくても…
悲しいけど、胃くんがいなくなったら”胃さよなら症候群”・・・が関連してくるのか。
突然の別れには、他の臓器くんもびっくりしちゃいますよね。
えっと…正しくは”胃切除後症候群”です。間違えないように。
※胃切除後の合併症の総称
〜ちょこっと病理〜
上記の図にもまとめている通り、胃切除後には様々な合併症が問題となります(=胃切除後症候群)
代表される合併症として、”小胃症状(小胃症候群)”や”ダンピング症候群”が挙げられます。
小胃症状とは、胃切除により容積が減少するために起こってしまう、腹痛や嘔吐などの腹部症状をさします。
出現時期は術後1週以後であり、一回の食事量を少なくするといった食事療法が対策の一つです。
ダンピング症候群とは、胃切除後に摂取した食物が小腸へと急速に落ちる(=dump)ことから起こる症状の総称です。出現時期は術後1〜2週以後です。
食後30分ほどで生じる早期症状(=早期ダンピング症候群)と
食後2〜3時間で生じる後期症状(=後期ダンピング症候群)に分類されます。
早期症状は腹痛が最も多く、眩暈や頻脈や発汗なども生じます。一方、後期症状は腹部症状ではなく、脱力感や手指の震え、空腹感などの”低血糖症状”が特徴です!
そのため、後期症状の対策では血糖値が一気にぐーっと上がらないよう”分食(少量の食事で回数を増やす方法)”といった食事療法が用いられます。
その他にも、胃切除後による合併症として消化吸収障害(下痢や体重減少、鉄やビタミンB12の欠乏による貧血)などが生じます。
引用・参考文献
南川 雅子(2019):「成人看護学[5] 消化器 (系統看護学講座 専門分野)」,第15版,医学書院
坂井 建雄(2018):「プロメテウス解剖学 コアアトラス」,第3版,医学書院
坂井 建雄(2018):「人体の構造と機能[1]解剖生理学」,第10版,医学書院
坂井 建雄ら(2010):「ぜんぶわかる人体解剖図-系統別・部位別にわかりやすくビジュアル解説」,第10版,医学書院